アセトアルデヒドとは?
こんにちは。熊本の禁酒カウンセラーの溝尻啓二です。
今回はこれまでの記事でも沢山出てきたアセトアルデヒドという物質について少し詳しく説明していきたいと思います。
アセトアルデヒドとは、肝臓でアルコール(エタノール)が分解されたときに発生する代謝産物です。
アルコール飲料には生産の過程で高濃度のアセトアルデヒドが含まれています。
他にもヨーグルトなどのフルーツ風味を作るためなどに極微量、食品に添加されることもありますが、食品添加の超低濃度では初癌に関係しません。
自然界でも植物の正常な代謝過程で生産されます。特に果実などに多く含まれています。
ですが人体ではエタノール(アルコール)の分解によって発生し、健康に多大な影響を与えることがわかっています。
アルコール飲料を摂取すると、エタノールは肝臓の常在細菌により分解(酸化)されて体内で二酸化炭素と水になりますが、その中間物としてアセトアルデヒドが生じ、それが様々な酒酔いの原因になります。
ここで少しアルコール分解の流れを見てみましょう。
➀アルコールを摂取
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➁アルコールはアルコール脱水素酵素(通称ADH)により、アセトアルデヒドへ分解
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➂アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素(通称ALDH)により、酢酸へ分解
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➃体内を巡るうちに水と二酸化炭素になり、体外へ排出
➀~➃がアルコール摂取から分解、排出までの流れです。
➁の段階で体内にアセトアルデヒドが発生します。
アセトアルデヒドはフラッシャー(顔が赤くなる。吐き気がする。動悸がする。眠くなるなどの反応)や二日酔いの主原因であり、人体への発癌性があるとされている猛毒で、その毒性の強さはアルコールそのものよりも10倍以上強いとされています。
飲酒した場合、消化器官内ではアルコールを分解する過程で、常在細菌(ADHとALDH)によりエタノールから高濃度のアセトアルデヒドが作られることになるので、体内から高濃度のアセトアルデヒドに晒されることになります。
この毒性物質はDNAやたんぱく質とも結合しやすい性質を持つため、発癌をはじめ、様々なアルコール性臓器障害の発生に関与しているとされています。
また、煙草の煙からも高濃度のアセトアルデヒドが検出されていることも知られています。
煙草の製造過程でアセトアルデヒドは生産会社によって、添加物として入れられています。理由はニコチンの吸収・効果の増幅作用や、燃焼促進の効果があるからです。
喫煙者の多くは、お酒が伴うと煙草の本数が増えるもの。
実際、私もお酒を飲んでいるときは、煙草がおつまみみたいなものでした。
ですが、お酒と煙草の組み合わせは『体内からのアセトアルデヒド+呼吸からのアセトアルデヒド』と、リスク的にも高いと言わざるを得ません。
なぜならアセトアルデヒドは、自動車の排気や合板の接着剤などに由来する大気汚染物質と同質のものだからです。
また国立がん研究センターによる多目的コーホート研究によると、「飲酒で顔が赤くなる体質のヘビースモーカーで、飲酒量が増えると食道がんになるリスクが高くなる」という結果が出ています。
愛飲家で愛煙家の方は飲み過ぎ吸い過ぎにはくれぐれもご注意ください。