アルコールやゲーム、買い物、ギャンブル、暴力など、依存症にはいろいろなものがありますが、これら多種多様な依存症の共通点は自分の意志ではコントロールできないということです。
近年、依存症の「概念」は広がりつつあります。
ひと昔前まで、依存症は薬物やアルコールなどの「物質」への依存がほとんどでしたが、最近では「対人関係」や「プロセス」への依存も、依存としてみなされるようになりました。人によっては、2つ以上の依存が合併していることも珍しくありません。
依存症は大きく分けて下記の3つに分類されています。
【物質依存】
かつては「嗜癖」と呼ばれていました。麻薬のように社会的に害が大きい物質に強く執着し、習慣化することです。近年では「依存」と呼ばれるようになりました。依存の対象はほとんどの場合、薬物やニコチン・アルコールなどの物質で、心身はもちろん家庭、職場、ひどい場合は社会にも害を及ぼしてしまいます。
手近いなものを食べたり、飲んだりすることで、肉体的な快楽や刺激が得られます。これによって、一時的に現実逃避をしようとします。
【プロセス依存】
ギャンブル・仕事・恋愛・万引き・セックス・ケータイ・スマホ・インターネットなどのようなプロセスそのものへの依存。
行為をする過程で得られる興奮や刺激を求めて、その行為にのめり込みます。行為そのものは目的ではなく、終わったあとで、多くの場合後悔します。
【対人依存】
職場・共依存・DⅤ・世話型・児童虐待・ネグレクトなど歪んだ上下関係で相手を支配・束縛したり、逆にしがみついたりすることによって、人とのつながりを求めようとするものです。こういった対人関係への依存も、悪い依存という観点から、依存症に含めて考えられるようになっています。
人は、心のさびしさや不安を紛らわして、安心を得たいがために、身の周りにあるものに依存してしまうと考えられています。
そして依存症で共通するのは、自分の意志でコントロールができないということです。そのためコントロール障害とも言われています。
≪前へ≫ / ≪次へ≫