心も身体も気持ちよくなりたい
物質依存とは不快な感情をコントロールするためにアルコールやタバコ、薬物や大量の食べ物などを体内に入れ、繰り返し気晴らしを試みようとする行為です。
対人依存では、人との駆け引きが必要です。プロセス依存では、仕事やギャンブルなどの行為に没頭しなければなりません。
しかし、物質依存では目の前にある物質を体内に入れるだけで快感が得られるので、手っ取り早く、安易なため最も依存症に陥りやすい危険性があります。
物質依存症には、他の依存と異なって、肉体的な満足を得ることで、心の安心を求めようとする意図があります。その為、やめようと思っても、肉体的にも心理的にも止められないのです。
物質依存症の大きな特徴として『否認する』と『人に甘えたがる』という特徴があります。
【否認する】
お酒やタバコがやめられなくても、本人には依存しているという自覚がありません。生活が乱れ、周囲に迷惑をかけてしまう悲惨な事態になっても「周りが悪いんだ」と責任逃れをしてしまいます。たとえばお酒の場合など「自分の金で酒を飲んで何が悪い!」と聞く耳をもちません。
【人に甘えたがる】
アルコールやドラッグを常用して、大きな失敗やトラブルを起こしても、自分の失敗として引き受けません。まるで子供のように「助けてほしい」と、家族や周りの人に後始末や介抱を求めます。「なんで俺を放っておくんだ!」と暴言を吐くなどです。
・その両方に共通するのが『甘え』で、『甘え』は『依存』に含まれます。
『甘え』とは、相手にしっかりと受け止められ、安心と満足を得ている状態です。しっかりと心の絆が結ばれた母と子の間には、『甘え』があります。
しかし、大人になって甘えを求めると、良い依存のように相手と対等な関係を築くことは困難です。相手を支配しようとしたり、しがみつこうとする子供のような『甘え』は『依存』のひとつといわれています。
※(依存症と中毒の違いは?)
依存症とは、心の空白を埋めたり、ストレスから逃れるためになにかに依存し、自分でもやめられなくなる状態のことをいいます。
それに対して、中毒とは、悪い依存が続いた結果、肉体的・精神的に障害され、生きるのに耐え難いような状態になることです。つまり、依存症と中毒とは原因と結果の関係にあるといえます。