もともと『依存』とは、生まれつき持っている心の安心や肉体の満足を求める行為です。その依存には二種類あります。
それは、「良い依存」と「悪い依存」です。
【良い依存】
良い依存は主体のある人間として相手を尊重しながら、相手を支え合い、助け合います。
母親に抱かれた赤ちゃんは、安心と満足に包まれて成長します。いつでも支えてくれる人がいるという安心感が、自主性を育てます。
【悪い依存】
悪い依存とは、自分が安心や満足を得られないために、常に相手を支配したり、しがみついたり、拘束・束縛しようとします。
過保護な母親は、子供の世話を焼きながら、実は子供の主体性は考えていないといえます。
【依存症へのプロセス】
自分の寂しさや悩みに耐えられない。
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自分こそが「安心」を得たい。
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相手の立場や気持ちを考えない。
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相手をコントロールして安心を得ようとする。
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うまくいかないと身近なもので「安心」を得ようとする。
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エスカレートする。
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依存症になる。
・人間は周囲と程よい間合いの依存関係を保つことで、主体性を持って生きることができます。困ったときに友達に相談するように、お互い対等の立場で助け合い、支え合える関係です。ですが、不安や孤独を紛らわす為に、何かに頼ったり、相手を支配・束縛する「悪い依存」に手を出し始めると、いつか依存の対象である人やモノから離れられなくなってしまうのです。それが「依存症」と呼ばれているものです。